大事な事です。
「基準」を持つ事の重要性です。
まずは、あるケースを書きますので、考えてみてください。
○
関東では、春から夏へ向かう、5月11日、ある株の株価が、800円から、あっという間に、950円まで上昇し、ストップ高になりました。
これを見ていた、初心者投資家のA氏は、しかし、どう考えても、短期的には、上げすぎ…と思っています。
しかし、950円でも、PERは8倍で、割安に思えてしまっています。
A氏は、なけなしのほぼ全財産で、3000株、ストップ高で成り行き買い注文を入れました。
A氏に限らず、おそらく、多くの人は、「上がったのには、上がっただけの理由がある」と思う人が多いでしょう。
一方、ベテラン投資家のB氏は、
「いくらなんでも上げすぎだ…。これまでのボリンジャーバンドからみても、元々高値圏だったし、ニュース速報では、上方修正と出ているけれども、こんなのは元々織り込まれていたから高かったんだ。
よし、売ってやる!」と、10000株成り行き売り注文を出しました。
翌日、5月12日、A氏はニュースに気がつきました。
決算の上方修正と、外資系証券G社の格上げ・目標株価引上げ(1000円→2200円)が原因だったようです。
A氏は踊りたい位に、大喜びです!
「よし!保守的に、2000円で売ろう!
それでも、倍以上…、2000円なら、315万円も儲かる!!
G社が言っているんだから、間違いない!
やっぱり、株は決断力だ!」
一方、B氏は、
「やれやれ、上方修正に合わせて、目標株価引上げなんて…。相変わらず外資系証券はエゲツナイね。
しかし、バカな個人が買いついただけだろう。
よし、今度は2万株空売りを浴びせてやる!」
5月13日には、乱高下の末、ストップ高、1100円になりました。
ここで、B氏は、慎重にストップ高まで待って、2万株の空売りを入れました。
しかし、ベテラン投資家のB氏にも、引け後に不安が襲ってきます…。
まさか、本当に2200円なんて行く訳無いよな…」。
何しろ、B氏は、3万株、平均価格1060円で、3180万円も空売りしています。
2200円になってしまった場合は、なんと、3420万円の損失です。
さらに、3000円、4000円となってしまったなら…と考えると、B氏の心中は良くわかります。
買いは、1060円ならば、最大でも1060円の損失リスクですが、売りは、理論上は無限大の損失となる可能性があります。
さて、5月14日は、信用売りが大量に入り、信用倍率が0.5倍となった事を囃し、買い気配から、値がついた後は、1400円前後での乱高下となりました。
空売りが大量に入った株は、空売りの買い戻しで思わぬ高値となる事があります。
これを、「踏み上げ相場」などと言います。
この時点で、当初の800円から75%もの上昇を見せています。
A氏「ふふふ。俺は、運もあるし、決断の男だ!何しろ、外資系証券G社よりも先にこの株を買った男だからな…。この勢いなら、2200円どころか、3000円もあり得るな!」
と強気になってきています。
株式新聞や市場ニュースでも業績上方修正から、今後の素晴らしい業績展望に言及する意見が多くなってきています。
現在1400円だと、1株利益は118.75円ですので、PERは11.8倍程度です。
A氏には、「来期、や来々期にさらに業績がよくなるのなら、まだまだ超割安だ」と思えてきます。
○
さて、1400円で終わり、B氏は既に含み損が1000万円を超えてきました。
B氏「ああ…バカな個人投資家と強欲な外資系証券に踏まされてしまった…。しかし、最後は暴落するはずだ。こんな無茶な相場が続くはずはない…!しかし、資金の余裕はない…」
○
5月15.16日は、土日でお休みです。
A氏は、現時点で含み益135万円です。
A氏の全財産は300万円でしたから、ここ数日で、45%も財産が増えました。
A氏は、ここぞとばかりに土曜日は、温泉に行き、日曜日はキャバクラで、相場について語っていました。
曰く「相場は度胸と決断力であり、そして、勘と運だ!今、自分は大勝負で勝利はもう手の中にある」と管を巻いていました。
女の子もさすがなもので、「Aさんすご〜い!じゃあ、これ頼んじゃっていいですか〜♪」
と、一杯5000円もするお酒と、3万円のフルーツを頼もうとしてきます。
A氏は、ちょっとドキッとしましたが、
「いいよいいよ!今日はジャンジャン飲んで、ジャンジャン頼んじゃって!」
という具合でした。
B氏は、行きつけのスナックでママに愚痴っています。
「大体さ、バカな素人は、外資系証券が買いと言ったら買って、売りと言ったら売るんだから世話ないよ。
バカの癖に、行くときはとことん行くから、タチが悪い」
ママ「あら、どうしたの?相場はうまくいっていないの?」
B氏「いや、まあ、大した事は無いんだけどさ。ちょっとバカな素人たちや、外資系証券の大袈裟な煽りで、苦戦しているのさ」
ママ「あまり無理しないでね」
B氏「大丈夫だよ。無理な相場形成なんて、いつまでも続くものじゃない。「山高ければ谷深し」、だ。」
ママ「なんだか難しくてわからないけれど、うまくいくように祈っているわ」
B氏「ありがとう」
B氏は、しかし、いまいちお酒に酔えず、外に出て、禁煙していたはずのタバコを吹かしながら、「ちくしょう、バカな素人たちめ…!しかし、ここを耐えて、最後に笑って見せるぜ!
昔の相場師たちも、皆、忍耐に忍耐を重ねて勝利を掴んできたんだ!」
かくして、土日があっという間に過ぎて行きました。
○
運命の5月17日です。
寄り付きは変わらずの1400円から、断続的に大きな売り物が出て、下がっていきます。
前場は1200円円安で終了しました。
14%安で、市場の値下がり銘柄ランキング上位にも顔を出しています。
A氏は会社のランチで今日も上がっているかな〜?と携帯でチェックしたら、大幅安です。
吃驚して市場ニュースを見たら、「利益確定の売りに押された」と書いています。
非常に不安を感じましたが、200円違えば、60万円も利益が変わってきます。
ここは、一時的なものだと自分に言い聞かせて、携帯を閉じました。
B氏は、
「ふ…ようやく素人が売りを出してきたか。「高所恐怖症」になったんだろうな。崩れたら早いだろう。いや、きっと、外資系証券が煽る前に仕込んでいたものを売ってきているんだろう。素人を恨むまい…。」
「しかし、まだまだ油断はできない、ここからが正念場だ…」
後場、一転して買い気配スタートです。
今度は、外資系証券のM社、日系証券のN社が、「強気」のレーティング、それぞれ、目標株価を1800円、1750円としてきました。
結局、引けは、大商いで、ストップ高1700円です。
ここで、A氏の950円3000株の買いは、225万円の利益が出ています。
A氏の数日前の全財産300万円は、数日で倍増すら見えてきました。
一方、B氏の平均単価1060円の3万株の空売りは、−1920万円の大損失です。
PERは14.31倍。
市場の平均PERは20倍なので、まだ割高とはいえません。
A氏「はっはっは!数日でほぼ、倍!!!月に3倍でいけば、俺は、世界一の投資家だ!PER20倍だったら…2375円か…。2375円なら、427万5000円の儲けだ!!!うおおおっしゃあ!」
B氏「最初は素人が外資系証券に騙されたと思ったが、もしかしたら、本当にその株価まで行ってしまうのか…。市場のPERは…20倍か…。20倍なら、2375円か…。俺の損失は…3945万円・・・・・。
もう駄目だ、追証が入る前に、明日寄り付きで損切りしよう…。終わった…。」
さて、5月18日、寄付は買い気配からスタートし、2000円で寄り付きました。
前場は2000円を挟んで乱高下の展開となりました。
そこで、B氏は全株成り行き買い戻しをし、−2820万円の損失が確定しました。
B氏は、「ボリンジャーバンドなんて、全然使えない。確率で95%損をしない割高水準だったのに、このザマだ…。やはり、これからは、一目均衡表の研究をしよう…」などと言っています。
一方、A氏の利益は315万円、ついに、資産倍増を成し遂げました。
ランチは、寿司屋で「松」8000円を頼みました。
A氏は、自分は天才投資家である自信が確信と変わりました。
仕事中は、この利益を確定した後は、専業の投資家になろうかな・・・などと考えて始めています。
しかし、後場は、下げに転じ、終値は前日変わらずの、1700円でした。
A氏「ふ…まだPERは上昇余地があるのに、早売りするとは、これだから素人は…」
などと言いながら、市場ニュースのチェックです。
一部では、「目先高値警戒感から1500円程度までの下げ余地…」などの記事はありましたが、A氏には、当然強気のニュースしか見えません。
評論家N氏の、「3000円大相場」説を見つけ、何度も見直しました。
明けて、5月19日は、売り気配からスタートし、ストップ安1300円に張り付きました。
解説では、欧米市場の下落と、目先の利益確定という事でした。
しかし、A氏は、
「バフェットも長期投資であそこまで行った。この程度の下げに狼狽してはいけない。将来は3000円になる株だ!」
と自分を鼓舞しました。
しかし、300万円を超えた利益が、今では100万円程度になってしまっています。
次に300万円の利益が出たら、絶対に売ろう!とA氏は決めました。
しかし、そこからは、ズルズルと下がり続け、5/24には、株価は、ついに元の950円に迫ってきました。
A氏は、評論家N氏の3000円説と、300万円の利益が忘れられず、売ろうとは思いましたが、運を天に任せ、売らない事にしました。
…7月某日、大雨の日でした。
粘りに粘ったA氏がついに売却した価格は、500円でした。
嘘のように出来高は減少し、ズルズルと下げ続ける日々。
極めつけは、G社の目標株価引き下げ、2200円→800円とのニュースでした。
N社やM社も、目標株価を相次いで引き下げています。
A氏は、自暴自棄で成り行き売りしました。
A氏の夢の終わりには、135万円の損失が残りました…。
「もう、PERも、外資系証券も信用しない…。いや、株なんて博打はもうやめよう…」。
○
ふとした事で書き始めましたが、思いのほか、長い物語になってしまいました。
こんなことがあるの?という人もいるかもしれませんが、こんな事は、こういう変動のある株で勝負をかけるようなスタイルの人には、「しょっちゅうある事」、日常茶飯事です。
私も昔は何度もこのような経験をしました。
ここで、株式セミナーなどに行くと、「損切りの重要性」とか、「投資は心理学だ」とか、「欲望を抑える」だとか、様々な対処法が語られます。
しかし、わかったような、わからないような・・・また同じような事を繰り返してしまいます。
また、損切りをしてみたはいいものの、損切りばかりで、全然儲からない…などと言うようなことも起きます。
「欲望を抑える」というと、今度は、自分が売却した株が大きく値上がりし、悔しくてしょうがありません。
○
今から考えて、なぜ、このような事になるのか?というと、「基準」が無い為ではないか?と思いました。
つまり、「PER」などで、一応の割安・割高は見る者の、結局その本質的な意味がわからない。
値動きは意識するけれども、結局いつの間にか損をズルズルと引っ張ってしまい、安値で売る事になってしまう…。
これらは、基本的には、「基準」が無い為です。
「高い株には高いだけの理由があり、安い株には安いだけの理由がある」「市場は常に正しい」などともっともらしく聞こえますが、高い株が、なぜ、この株価なのか?これは、妥当なのか?
安い株は、なぜこれほど売られているのか?売られすぎではないのか?
と問わなければいけません。
そういう事を言う人程、「…だから、市場は常に正しい、考える必要はない」と言うわけのわからない結論になります。
「理由がある」ならば、「理由」を考えなければなりません。
その「理由」は、勘違いではなく、継続的なものなのか?
その「理由」が、この価格の動きと整合性が取れているのか?
と、考えなければならないはずです。
その為には、「基準」が必要です。
例えば、その企業の現在の資産価値はいくらなのか?
また、将来性まで踏まえた、企業価値、株式評価額は、いくらなのか?
というのが、一つの大きな基準例です。
実際、 「この利益増加率のトレンドが続くならば」という仮定であれば、DCF法などで、現在の企業価値を算出する事ができます。
まずは、そこを押さえます。
次に、悪い想定、良い想定の場合はいくらになるのか?を考えます。
それだけで、かなり基準は定まってくるはずです。
さらに、そのトレンドが続くのか?
今後の将来性はどうなのか?
を考える事になります。
その為に、決算書を読んだり、様々な業界、企業を研究しなければなりません。
広く社会から情報を集めなければなりません。
確かに、将来は誰にとっても未確定であり、完全に分かる人はいないものです。
といって、「将来はわからないから、考えなくても良い」と考える人と、「ある程度のところ」まで、しっかりと基準をもって押さえた人とでは、自ずと企業価値(従って株価と価値の乖離)への理解度はとても大きな差が出ると断言できます。
そして、企業価値が上昇し続けるのなら、いずれ、ほぼ必ず価格(株価)は価値の方向に動きます。
「シンプル社」の例で明らかですが、価格が変わらず、企業が収益を上げ続ければ、将来価値を算出するまでもなく、保有する資産だけで、時価総額を上回るようになります。
時価総額が1億円で、企業が現金を2億円持っているようになったとしたらどうでしょうか?
これは、将来に稼ぐ収益を無視しても、その時点で、1万円札を5000円で買うような事になります。
あるいは、1000円札で2000円札を買うようなものです。
当然、そのような状態になる可能性は低く、価格(株価)は価値を評価し始めるでしょう。
しかし、完全なオーナーではなければ、価格の動きも重要です。
価格と価値を、しっかりと、わけた上で、さらに、株価自体の動き等をしっかりと、「観る」事で、結果的に株価の動きに一喜一憂したり、高値で買い、安値で売る事も無くなる(実体験)と思います。
このブログでは、価値の見極め、そして、価格の動き自体を「観る」と言う事を両立していこうと思っています。
プロから、初心者まで役に立つブログに育っていけたら、と思います。
私自身も、日々の相場の考察、観測や、それをブログに書く事で、日々成長を実感しています。
読者の方々と共に成長していけたら、と思います。
では、また!!
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「1」では、
稲盛さんと言えば、京セラの創業者であり、DDI(現在のKDDI)の創業者でもあり、日本のベンチャー企業の伝説的存在と言っても良いでしょう(今では、ベンチャーと言うイメージすらないかもしれません)。
2010年には、JALの再建を要請され、代表取締役会長として、経営再建に取り組みました(しかし、公平に見て、未だに再建には程遠い状況でしょう)。
JALHP有価証券報告書
と書きましたが、昨日発表の決算では、実に見事な復活劇となっていました。
(参考) 日本航空、稲盛名誉会長「最高益、部門別採算制の成果」
日航、リストラ効き最高益 12年3月期、法人税免除なども
ROE64%、総資産経常利益率17.2%、売上高営業利益率17%、と、稲盛氏の言う、「高収益」企業へと、変貌を遂げていました。
決算・回復劇のポイントは、「売上―経費」が利益→売上の最大化、経費の最小化を目指す稲盛氏の経営から言うと、経費の削減が奏功した結果のようです。
数字で確認してみましょう。
稲盛氏が就任する前の平成21年(2009年)3月期と、現在(2012年三月期)を比較すると、以下のように極めて大きく変化している事がわかります。
まずは、損益計算書です。
2009年3月期

この時点では、目も当てられない状況です。
粗利益率が13%で、その後の販売及び一般管理費は、粗利益を19%上回っており、結果、赤字になっています。
粗利益の3割を人件費、45%を減価償却で持っていかれています。
「売上-経費」の最大化どころか、「売上<経費」という状況で、典型的な競争の激しい低利益率会社となっています。
さて、これが、2012年3月期にはどうなったでしょうか?

「事業収益」(売上高)は、かなり落ちています。
「売上-経費」で言うと、売上は大きく減少してしまっています。
一方、粗利益率が13%→30%まで回復しています。
SGA比率(販売及び一般管理費)も、42%まで減少しており、大きく黒字を確保できています。
これは、本当に様々な経費の削減の積み重ねだったのでしょう。
内訳をみると、減価償却は制度の変更(財産評定)等もあるようですが、粗利益の45%→23%と、ここは一つ大きなポイントです。
そして、人件費も、粗利益の3割を占めていたものが、13%まで減少しており、この二つで、極めて大きな経費削減が出来ている事がわかります。
個人的にも、元JALのスチュワーデスなどが転職しているのを、私も知っています。
結果、売上高営業利益率は17%、売上高利益率15%、と、稲盛氏の言う「高収益」の下限程度まで回復する事ができました。
そして、規模においても、純利益の1800億円超えは、全日空(280億円程度)を大きく上回りコマツや、JR東日本、JR東海、7&i、ファナック、りそな銀行等をも上回ります。
因みに、稲盛氏の関連企業、京セラは約830億円、KDDIは、2400億円程度です。
これで、JALは、見た目には、巨額の利益と、高収益を両立する企業の入り口に達するほどになりましたが、とにかく経費を削減し、投資を抑制し借金を返し(キャッシュフロー計算書参照)、スリムになったところです。
いわば、メタボが、スリムにはなりましたが、売上高は非常に落ちており、これから筋力(売上)を取り戻さなければならない状態だと思います。
そして、稲盛氏自身は、来年度決算で名誉会長も勇退する方針のようです。
日本航空、稲盛名誉会長「最高益、部門別採算制の成果」より
――現在の日航社員をどう評価するか。自身の任期は。
稲盛名誉会長「就任直後は八百屋の経営もできないと大変失礼なことを申し上げたが、今の努力ぶりには感心している。JALの経営陣が他の会社の経営をやった場合、うまくいっていない会社の再建もできるくらいだ」
「(就任時に)3年という約束で(期限は)来年の2月、3月になる。できれば、その辺でこの仕事を辞めさせてもらえばと思っている」
「売上-経費」のうち、経費の削減は実に見事でしたが、自分で努力できるようになったJAL社員に後事を託し、自らはソッと見守るのでしょう。
いずれにしても、非常に素晴らしい業績であり、立て直しでした。
ここは、素直に拍手をしたいと思います。
バフェットによれば、
との事ですが、今回は、通常でないケースを見られた訳です。「ファンダメンタルズの悪い事業にすばらしい経営陣を組み合わせても、通常は前者が後者を圧倒する」
しかし、全日空やLCCとの競争の中で、売上を伸ばしていくのは、今後は容易ではないでしょう。
そんな中で、ある程度利益が上がるようになった事で、人件費を必要以上に上げたり、無駄な投資をすれば、最悪、再び、破綻の危機を迎えてしまう事になるでしょう。
稲盛改革は、実に見事であったとは思いますが、JALの本当の正念場は、これからだと思います。
そして、個人的には、厳しい競争の中で、今よりも利益を上げて行く事は、かなり厳しいと思います。
今回は、稲盛氏のJAL再建という、旬なネタで、簡単に損益計算書の変動を見てみました。
いかがでしたでしょうか?
バフェットの財務諸表を読む力〜1.損益計算書 売上高・売上原価・粗利益について〜や、バフェットの財務諸表を読む力〜2.営業経費・営業利益〜なども合わせてご覧ください。
続編も、進めて行きたいと思います。
JALで大分良い旬の教材になったと思いますので、京セラ・KDDIについては、その「3」で簡単に書こうと思います。。。
では、また!
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何とか今朝復旧しました。
その間、たまたま、家にあった、稲盛和夫氏の本を手にとって読みました。
稲盛和夫の経営塾―Q&A高収益企業のつくり方 (日経ビジネス人文庫 (い1-2))
私の部屋は、さながら小さな図書館で、自分でも時々本棚を眺めて、「立ち読み」したりしています。
稲盛さんと言えば、京セラの創業者であり、DDI(現在のKDDI)の創業者でもあり、日本のベンチャー企業の伝説的存在と言っても良いでしょう(今では、ベンチャーと言うイメージすらないかもしれません)。
2010年には、JALの再建を要請され、代表取締役会長として、経営再建に取り組みました(しかし、公平に見て、未だに再建には程遠い状況でしょう)。
JALHP有価証券報告書
稲盛氏の独特の経営理論は「アメーバ経営」と言われ、当ブログでも何度か書いた(バフェットの財務諸表を読む力〜1.損益計算書 売上高・売上原価・粗利益について〜、バフェットの財務諸表を読む力〜2.営業経費・営業利益 参照の事)〜「売上-経費」の最大化を図る一つの手法と言えるでしょう。
wikipediaによればアメーバ経営導入企業は、京セラグループ、
KDDI、沖縄セルラー電話、日本航空(JAL)、ワタベウェディング、ディスコ、コマニー等があるようです。
結局のところ、会計学ではなく、投資家、あるいは、経営者からみた場合の経営の本質は、極論を言えば、売上を増大し、経費を削減する、という事に尽きるのだと思います。
稲盛氏の本を読み、当然と言えば、当然ですが、経営者からみた業績と、投資家からみた業績というのは、表と裏のようなもので、結局、同じ紙を見ている、表裏一体のものなのだと、改めて思いました。
本書では、(p28-)
「そこで私は物事をシンプルに捉え、「売上から経費を引いた残りが利益ならば、売上を最大にして経費を最小にすれば、結果として利益も増えていくはずだ」と考え、それ以来、「売上を最大にし、経費を最小にする」ことを経営の原則としてきました。
この原則を実践してきた事が、京セラを高収益へと導いてくれたのです。
経営の常識では、売り上げを増やせば経費もそれに従って増えて行くものと考えられがちです。しかし、高収益をあげるにはそのような常識にとらわれず、とにかく売上を最大にし、経費を最小にする為の創意工夫を徹底的に行う事です。」
とあります。
まさに、売上から経費を引いたものが利益、ならば、売上を最大化し、経費を最小にしよう、とシンプルにそのまま書かれています。
注目すべきは、売上が増えれば経費も増える、という常識に捉われずに、経費も最小化しよう、という創意工夫を書いている処です。
いわゆる、固定費の最小化と共に、変動費をも創意工夫により、最小化しよう、という考え方です。
では、どのようにするのか?
と言えば、要約すると、
・100万円の売り上げが150万円になるなら、普通は人員や設備を5割増しにするが、生産性の向上によって、人員や設備は2.3割増にすれば、高収益を実現・維持できる
としています。
これは、表裏一体で、投資家からみた場合には、企業の決算を見る際に、単に単年度の利益が増減ではなく、設備投資や人員の動きを見る事が、その後の高収益を維持できるか?を見る一つのポイントと言う事になります。
また、売上の最大化の為には、結局は、値段が重要とも書いています。
「値決めは経営」と、太字になっています。
「商売の秘訣は、お客様が納得して、喜んで買ってくださる最高の値段を見抜き、その値段で売る事です」ともあります。
表裏一体で、投資家の側からみた場合には、結局、粗利益率や最終の利益率等で、どの程度の利益率を「一貫して」上げているか?というチェックポイントになります。
つまり、買いだたかれていないか?という事です。
バフェット的視点から言えば、「値上げできるか?」という視点にもなるでしょう。
本当に必要とされているものならば、インフレや原材料費のコストが上がれば、値上げをしても売れるはず、という事になります。
このように、投資家側からの視点だけでなく、経営者側からの視点を持つと、投資をする上での、企業分析の強力な理論付け、確信が持てるようになると思いました。
○
ところで、本書のタイトルは「高収益企業のつくり方」ですので、「高収益」とは、どの程度の収益率なのか?という事になります。
稲盛氏によれば、
「事業を営む以上、税引き前で最低10%の利益率をあげられないようでは経営のうちに入りません。高収益と言うのであれば、少なくとも15〜20%は利益率がなければならないのです」
とあります。
この「利益率」とは、売上高利益率なのか?株主資本利益率(ROE)なのか、総資産利益率(ROA)なのか?は示されていませんが、文脈から判断すると、売上高利益率のようです。
表裏一体の、投資家の視点からみた場合には、売上高利益率は「企業分析」(持続的な競争力を持つか)として、重要で、ROEは、「投資価値分析」(どの程度の収益を期待できるか)で、重要な指標となるでしょう。
因みに、億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術
不思議と、稲盛氏の「15〜20%」と符号しています。
では、京セラやKDDI、日本企業の売上高利益率や、ROEは、実際、どの程度のものなのでしょうか?
今日は、今から所要で出かけるので、この記事は、次回、「2」で考察していこうと思います。
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「今日中に書く」と言いながら、インターネットの接続の問題等があり、書き込みできませんでした。
申し訳ありません。
また、この「2」では、これを教材にグリーやDeNAのROE等と「シンプル社」、実際の決算から、「1」で書いた、「ROEが50%弱のグリーは、これが続くとするならば、単純に言えば、今が資産価値から見て(PBR)多少割高としても、圧倒的な収益力で、余りあるほどの利益をもたらしてくれるのです」について、書こうと思いましたが、色々と新しい情報があったので、まずは、「2」では、情報の整理と雑感を書きます。
「3」では、現状での簡単な見通し・シミュレーションをしてみましょう。
「4」以降で、ROE等の話に入れれば、と思います。
さて、この間、グリー、DeNAの決算発表等様々な動きがありました。
決算自体は、グリーは本決算では無く、四半期決算ですが、想定の範囲内で、好決算。
DeNAは、本決算で、こちらも、会社四季報予想以上の出来でした。
(参考)
グリー四半期決算書
DeNA本決算書
余談ですが、DeNAは、四月に本社を渋谷の話題(?)の、「ヒカリエ」に移転した事などが記載されていました。
今回の「コンプガチャ」の件に関しては、
「平成25年3月期の連結の業績見通しにつきましては、当社グループの主力事業であるソーシャルゲーム関連市場はその成長速度を予測する事が難しいことや、ユーザの嗜好や人気タイトルの有無等さまざまな不確定要素に収益が大きく左右されること、また、海外での「Mobage」事業の収益予測も同様な理由で難しいことなどから、信頼性の高い通期及び半期の業績予想数値を算出することが困難なため、四半期ごとの業績発表時に翌四半期の業績見通しを公表させていただいておりますが、平成25年3月期第1四半期連結業績予想につきましては、ソーシャルゲームの一部の機能が景品表示法に抵触する可能性に関し、現時点で問題とされる範囲が明確でないために業績への影響額を合理的に見積もることができません。このため、影響額の合理的な算定が可能になった時点で速やかに開示いたします」
と書くにとどめ、先行きの業績への影響の見通しについては触れませんでした。
この間の報道としては、
DeNA、グリー相次いでコンプガチャ廃止 :日本経済新聞 によると、
「ソーシャルゲーム(交流ゲーム)大手のディー・エヌ・エー(DeNA)やグリーなど6社は9日、自社ゲームで「コンプリート(コンプ)ガチャ」と呼ばれるアイテム商法を廃止すると発表した。消費者庁が景品表示法に抵触する可能性を検討しているため。コンプガチャが売上高の1〜3割を占めるとの指摘もあり、業績に影響が出るのは避けられない見通しだ。
「KLabの売上高に占めるコンプガチャの割合は約15%。DeNAは「影響額が見積もれない」(同社)として業績予想の開示を見送った。コンプガチャは課金が活発なユーザーが中心なだけに利益率も高いとみられ、「廃止の影響で業績成長が鈍化する可能性がある」」(大手証券アナリスト)との声もある。
ポイントは、
・KLabは、コンプガチャの売上比率は、15%程度。
→これは、前回の記事で書いたように、KLabの見解としては、「「コンプガチャ」導入後、「ガチャ」の売上が15%伸びたが、別のシステムを導入すれば、5%以下の売上高の減少にできる」とのことです。
・コンプガチャの売上比率は、1〜3割程度。
・コンプガチャは課金が活発なユーザー中心で利益率が高いと思われる
という点。
業績への影響については、今ある情報で、後ほど検証してみましょう。
その他、
【動画あり】グリー決算発表の質疑応答でコンプガチャに対して質問攻め 回答は「コメントできない」の連続
【動画あり】DeNA決算発表会 「コンプガチャは現行法に違反するとは思っていない」
等がありました。
グリーでは、記者からの質問で、
−コンプガチャをやめたら売り上げの8割がなくなるとも言われているが。具体的に開示してほしい。
回答:売り上げの詳細については詳細は控えさせてもらう。ガチャ自体がどうこうということではない。
という事で、日経新聞では、1〜3割と書かれていますが、何と売上の8割という見方もあるようです。
これは、もしかしたら、記者が勘違いしているのでは?と思いました。
ゲーム課金が収益の9割とも言われていますが、「コンプガチャ」とゲーム課金そのものの収益を混同しているのでは?と思います。
一方、DeNAでは、
−コンプガチャの業績の影響は売り上げの割合や規模は? やめることによってどのくらいダメージが出るのか。
守安:やめることによってのシミュレーションをしていて、通常のガチャを楽しんでおられている。どのくらい影響がでるのかというのを言わないと下手に勘ぐられる。1年前まではコンプガチャのタイトルがゼロだった。
との事で、これであるなら、1年前までの業績は「コンプガチャ」が無くても、実績を上げてきた…という事になります。
また、海外配信については、現状「コンプガチャ」が無いので、その国の方針に合わせていく方針を示しました。
○
これらから、総合的に考えて、
1.コンプガチャの売上は多く見積もって、3割程度(8割というのは報道やKLabの15%を見る限り、ちょっと現実的には思えない)
2.ただし、コンプガチャはその他事業よりも利益率が高い
3.消費者庁との今後の話し合い
4.各社、コンプガチャは廃止の方向
という事です。
実際には、コンプガチャに代わる何かしらの新サービスが起きるだろうとは思います(あるいは、どこかが新サービスを起こしたら、他社は追随するでしょう)。
また、今後は、これに懲りて、消費者庁と相談して物事を進めるようになるでしょう。
一方、リスク要因としては、返金・返還訴訟等リスク。
また、日本では、ある筋の「匙加減」で一気に叩かれる場合もありそうなので、そこのところは、ちょっとあれなリスクですね(
○
ちょっと雑感です。
…いずれにせよ、確かにコンプガチャに限らず、ネットゲームの課金については、様々な問題点も指摘されており、それは事実でしょう。
ネット掲示板などでは、「グリー、DeNAは終わった」「あこぎな商売をしていたツケ」という書き込みもありますが、しかし、ネットゲーム自体は、世界的に見て、今のネット時代の必然的な流れであるとも思えます。
今、グリーやDeNAやネットゲームを否定する人々は、これらが無くなれば「何でネットでゲームサービスが無いのだ!何をしているんだ!」「国は何でこんなくだらない規制をしているんだ!」と言うでしょう。
そもそもベンチャーというのは、それまでになかった事(ビジネス)をするものであって、今回のように、後付けにせよ、問題があれば、規制されていきます(その結果利益率は下がります)。
利益率が下がらなければ、様々な資本の大きな会社が参入してくるでしょう。
それでも生き残るところが、最後に生き残るのでしょう。
そう考えると、今回の規制(?)についても、いわば、ベンチャー企業、新しいサービスのある意味では、当然の洗礼なのかもしれません。
ここで、めげずに、消費者の側を向いて、新たなイノベーションを起こしたところが、勝利者になるのでしょう。
いずれにせよ、我々は、単なる妬み嫉み(社員の給与が高いとか、円高なのに利益を上げているとか、急成長それ自体とか)で、否定する事は避けたいものです。
ともあれ、次回、「3」では、1と2の現状の情報に基づいて、現状からシンプルに今後の予測分析をしてみる事にします。
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ソーシャルゲームの「コンプガチャ」の仕組みとは
株式市場に“コンプガチャ違法ショック” グリー、DeNAがストップ安 - ITmedia ニュース
コンプガチャ「違法」報道に「現時点ではノーコメント」 DeNA、グリーなど - ITmedia ニュース
但し、現時点では、公式な発表は無く、読売新聞の「飛ばし記事」の可能性も残っています。
消費者庁が報道否定――SNSのコンプガチャ問題 - ケータイ Watch では、明確に、
問われるのは、景表法における「絵合わせ」行為だ。表示対策課の担当者は、「会見で長官が指示した通り、検討が始まった段階。中止要請や措置命令などは何も決定しておらず、そういった考えもない。事業者名を出したこともない」とする。
担当者は、検討結果を公表するかどうかも現時点では未定であるとし、報じられた件について、「記事内容とは異なる」と否定している。
としています。
また、その影響についても、コンプ導入前後でガチャ売り上げ15%アップだが──Klab、「違法」報道に見解公表 - ITmedia ニュース によれば、「コンプガチャ」導入後、「ガチャ」の売上が15%伸びたが、別のシステムを導入すれば、5%以下の売上高の減少にできる、という見解のようです。
今回の件で、グリーやDeNAの業績にどの程度の影響があるかは、今の段階ではわかりませんが、ただ、そうなったらなったで、新たな収益手法を見つけ出すだろう、とは思います。
また、仮にKlabの見解のように、5%以下の売上への影響となれば、本日だけで20%以上下落しているグリーやDeNAは、「相対的に」少々下げすぎ…という事になるでしょう。
「相対的に」というのは、このニュースで下げたという事なら…です。
しかし、そのニュースで下げすぎだから買う…とはなりません。
あくまでも、「割安」であれば買い、そうでなければ、いくら「売られすぎ」でも、買う事はできません。
では、グリーやDeNAの現在の株価は、割安なのか?割高なのか?となると、非常に難しいものがあります。
将来性・事業価値をどのように考えるか?によって大分変るからです。
例えば、理論株価Webのグリーの理論株価は、377円です。
つまり、まだここから90%程度下落するべき…というレベルです。
一方、DeNAの理論株価は、6770円と、事業価値が高く、240%程度上昇してもおかしくない、という判断です。
しかし、これでは、明らかにおかしいでしょう。
グリーが90%暴落し、DeNAが240%上昇する…というのは、明らかに何かがおかしい訳です。
当ブログは、今はまだ財務諸表分析の解説等々ですが、これは、後に具体的な企業価値評価をしていくブログになる為なのですが、グリーのような企業価値の評価はかなり難しいです。
というのは、業績予想次第でどうにでもなるからです。
しかし、アナリストは、ほとんどの場合、会社予想の業績予想に乗っかります。
例えば、msnでは、23のアナリストの平均業績予想がありますが、なんて事は無い、会社予想とほぼ同じで、2012.2013年と大きく伸びて行く事になります。
そして、その結果として、目標株価は2012年3703円、2013年4444円と(現在1651円)、大きく伸びる事になります。
良い悪いというよりは、アナリストといえども、(多くは)その程度(例外はある)、という事です。
私は私のモデルで、少しグリーを見てみましたが、ある程度保守的に見ても、成長ではなく、「現在の業績が続くなら」という程度でも、3000円程度は価値がある、と出ました。
これは、非常にシンプルな話です。
ROEが50%弱のグリーは、これが続くとするならば、単純に言えば、今が資産価値から見て(PBR)多少割高としても、圧倒的な収益力で、余りあるほどの利益をもたらしてくれるのです。
しかし、その業績の予測によっては、全く様相が変わってきます。
これについては、次回(今日中)の記事で具体的に書こうと思います。
株価は、2011/11/11の2840円を高値に、昨日のストップ安までは、2000-3000円のレンジという感触だったのでしょうが、ストップ安で、一気に下に抜けました。
2010/11/5の875円というのがありますが、さて…。
ところで、BPS(一株純資産)は、245.7円ですから、事業価値に対して極度に悲観論が出た場合には、資産価値のみの評価に行きつく場合があります。
その場合は、245円になる可能性もあります。
もっときつく、流動資産のみを資産として見る場合には、188円程度となります。
いずれにしても、仮に、そこまで売られた場合に、かつ、今後も黒字は維持できると考えた場合には、「絶対割安」と言える水準となると思います。
実際には、そこまで行く事は、無い(あったら大チャンス)と思いますが(そもそも、読売の「飛ばし記事」の可能性も)。
グリー、DeNA等、「コンプガチャショック」と、企業価値評価等 2 に続きます。
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西の方に行きます。
娯楽での旅行という訳ではなく、色々と用事があり、それを果たしに行くので、「バカンス」と言う訳ではないです。
ただ、少しはフラフラして色々と観察できたらな、とも思っています。
欧米人は、数日間の旅行などは、旅行でも休暇でもない、という感覚なのでしょうが、私は日本人ですから、数日間の旅行でも、「随分長いな…」という思いがあります。
第一、様々なニュースはその間も出てくるでしょうから、帰ってきてからの情報の整理が大変です。
今でも、情報の整理が追いつかなくて、てんやわんやしている状態です。
原因は、今日もそうでしたが、有価証券報告書を読んで、分析していると、あっという間に時間が過ぎてしまう事です。
バフェットの伝記、スノーボールを見ていても、バフェットは、家族との時間等を犠牲にして、新聞や財務諸表等を読みまくっている事がわかります。
どの企業の事を聞いても、その財務諸表を諳んじる事が出来る…ようですが、私の場合は、バフェットほどの記憶力が無いので、ある程度データをまとめていかなくてはならないのです。
いずれにしても、本当は、今日情報の整理をしようと思っていましたが、中々出来ず、今日から明日の出発までできるだけ情報の整理をして、なるべく早く帰ってこようと思います。
といっても、その場その場で、思った通りに動こうと思っています。
バフェットの財務諸表論の方で、減価償却のところで止まってしまっていますが、これも、帰ったら更新しようと思います。
おそらく、最短でも6日、多分、7日以降に帰宅(ブログ更新)となりそうです。
という事で、旅に出ますよ、という御報告でした。
A社の過去5年の利益は、-1000億、+500億、―3000億、+1000億、―2000億。
B社の過去5年の利益は、10億円、12億円、14億円、35億円、40億円。
A社の社員は、B社を鼻で笑っていたし、自分たちは、エリートだと思っていた。
B社の社員は、A社のような世界的大企業にはなれないけれども、自分たちの能力の限り、精いっぱい頑張ろうと思っていた。
しかし、この調子でいくのなら、断言できる事が、一つだけある。
「A社は、いずれ破綻する」。
結局、どんな素晴らしいものでも、どんなに強い物でも、その能力を活かせないのなら、小さくても、その能力を活かし続けるものには、最後は、勝てない。
潜在売上高、あるいは、潜在利益とでも呼ぶべきもの、可能性が世界一の団体だとしても、実際にA社のようなお粗末な結果であれば、現時点では、B社の方が付加価値を生み出している事になる。
大きければ良いという訳ではない。
世界一設備投資と研究開発に金を使えば、世界一の企業になれる、世界一の製品を生み出せる、と考えるのなら、共産主義国家こそ、最高の企業群を抱える事になるはずで、歴史は明らかにこれを否定している。
鶏口となるとも牛後となるなかれ。
日本では、先日、国策企業・エルピーダも、破綻した。
大体、原価割れという時点で、救いようが無かった。
あの破たん劇は、無責任なものだった。
社長は、資金繰りは問題ない、と言っていたすぐ後に破綻したのだから。
しかし、いずれ高い確率で破たんする事は見えていた。
私は仲間内では、その可能性が高い事を何人にも伝えていた。
「国策企業」だから、「経済産業省の面子が」あるから、そんな事を言う人達は、性根から、「牛後」なんだね。
ところで、あの件で、何人の政治家が、経営者が、官僚が、どういう形で責任を取ったのだろう?
「国民負担」は280億円程度と言う事だけれども…。
まあ、ともかく、一人ひとりでも、企業でも、団体でも、その使命は、その潜在能力をどれだけ発揮できるか?にあると思う。
単なる売上高とか、設備とか、ましてや、社歴や知名度などで比較するような愚を犯してはいけないと思う。
その人・企業・団体の役割を果たすことこそが何より重要な事だと思う。
「位高ければ徳高きを要す」と言うが、能力から言えば、「能力高ければ行動大なるを要す」。
あるいは、投資的に言えば、「資本多ければ利益大なるを要す」だ。
それが、できないならば、配当するなり、自社株買いをするべき、となる。
後のブログに活きてくると思います。
何しろ、鉄は熱いうちに打ち、アイデアは冷めない内に一度具現化が必要です。
ブログ更新を楽しみにしてくれていた方には申し訳ありません。
因みに、これからの予定としては、
バフェットの損益計算書論→損益計算書のまとめ
→バフェットの貸借対照表論→貸借対照表のまとめ
→バフェットのキャッシュフロー計算書論→キャッシュフロー計算書のまとめ
→財務諸表論の総合まとめ
→バフェットの理論株価算出法
→橘優流理論株価算出法
→メインコンテンツとして、具体的な企業の経営分析・理論株価算出等(その後は、これを日々更新。元々ここ に行きたかったのですが、ここまで数年かかってしまっています。今後は時間的余裕があるので、ドンドン進 んでいけると思います)
→その他、市場全体の動向分析等や、時には雑感や政治経済全般の考察も行っていきます。
といった流れを予定しています。
そこまで行けば、当ブログも、超人気ブログになっている事でしょう(いや、なっていてほしいです…)!??
今は、「それ、どういう意味?」という点に予め答える為に、いわば、理論篇を書いているところです。
この理論篇が無いと、「???」となってしまうと思うので、いつでも振り返って、今書いているような理論篇を、参照・ご紹介できるように書いているつもりです。
できれば、5月中には、具体的な企業の経営分析に入れたら…と考えているところです。
我ながら、そこまでいけば、かなり面白いブログになっていくだろうと思います。
少なくとも、証券会社のレポートや、今、人気上位の投資ブログ等、他に類を見ないレベルの情報を提供できるかと秘かに自負しているところです。
といっても、あまり肩肘張らずに、完璧は目指さず(完璧を目指そうとするのが、良くも悪くも私の癖です)、ある程度走りながら少しずつ質を上げていくよう、心がけようと思います。
そもそも、企業分析には終わりとか、完璧などはありませんし、日々勉強、日々向上ですからね!
よろしくお願いいたします。
では、また!
前回は、バフェットの財務諸表を読む力〜1.損益計算書 売上高・売上原価・粗利益について〜として、売上から売上原価を引いて、粗利益を出し、また、粗利益率を出しました。
具体的な企業としては、ヤフーや楽天等は粗利益率が高く、飛島建設や三菱商事等は粗利益率は低い事がわかりました。
○
さて、粗利益(売上総利益)から、様々な営業経費を引くと、「営業利益」が算出されます。
今回は、この営業経費と、営業利益について、史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力 大不況でも投資で勝ち抜く58のルール
本書では、p54-p66
No.12 営業経費を注視せよ。ビジネスの長期的経済性を破壊しかねない要因は、そこに潜んでいる
No.13 販売および一般管理費は、"一貫して"低いことが望ましい
No.14 多額の研究開発費を要する会社は、競争優位性に先天的欠陥を内包している
No.15 減価償却費はきわめて現実的なコストである。利益を計算するとき除外すべきではない
にあたります。
損益計算書(P/L)で言うと、黄色で塗られた部分です。


よろしくお願いします。
○
まず、バフェットの財務諸表を読む力〜1.損益計算書 売上高・売上原価・粗利益について〜でもありましたが、重要事項ですので、繰り返します。
大原則として、
「売上―経費」=利益
です。
前回は、その経費の第一弾として、「売上原価」が出てきました。
売上から、売上原価を引くと、粗利益(売上総利益)が出てきました。
今回は、その後の経費、損益計算書でいう、「販売及び一般管理費」(略して、販管費)にあたります。
そして、粗利益(売上総利益)から、販売及び一般管理費を引くと、営業利益が出ます。
○
さて、最初に注意事項ですが、本書の図では、上記にある通り、販管費と、研究開発費、減価償却費を別々に記載しています。
しかし、実際の損益計算書を見ると、研究開発費や減価償却費と言った項目は無く、販売管理費の後に、営業利益がきます。
研究開発費や、減価償却費はどこにあるの?というと、この販売及び一般管理費の中にあります(また、減価償却費は、売上原価の中にもあります)。
その辺が紛らわしいのですが、金額の合算を知りたい場合には、CF(キャッシュフロー計算書)等を読む事になります。
CFについても、この連載で書いていきますが、今のところは、頭の片隅に入れておく位で良いです。
いずれにしても、そういう事で、おそらく、本書の意図するところは、販売費&一般管理費はそれとして捉え、別に、研究開発費・減価償却費を、いわば、経費の「内訳」として、捉えるという事なのでしょう。
○
さて、本題に入りましょう。
まずは、本書のポイントをまとめていきましょう。
まずは、
No.12 営業経費を注視せよ。ビジネスの長期的経済性を破壊しかねない要因は、そこに潜んでいる
から、ポイントを書きます。
1.高い粗利益率を誇っていた企業も、長期的競争優位性が無くなってしまう場合がある。
2.原因は、研究費の増大、販売及び一般管理費の増大、債務に対する利払いコストの増大が挙げられる。
つまり、粗利益率は高くても、その他の経費がかかってしまうと、企業の「長期的競争優位性」が無くなってしまう。
その原因は、結局、販売及び一般管理費という経費の増大ですよ。
という事です。
ここは導入部分ですので、次に行きましょう。
No.13 販売および一般管理費は、"一貫して"低いことが望ましい
本書まとめ
1.販売及び一般管理費(SGA費)の項目には、直接・間接の販売経費と、あらゆる一般経費および管理経費が記載されている。
2.これらの経費は会社の最終利益に甚大な影響を与える。
3.粗利益に対するSGA費の比率はビジネスの種類(橘優注:業種・セクター)によって大きく異なっており、永続的競争優位性を持つ優良企業でも様々である。
4.永続的競争優位性を持つ企業のSGA費/粗利益の比率を出すと、一貫して、コカコーラ約59%、ムーディーズ約25%、P&G約61%等。
5.一方、永続的競争優位性を持たない企業のSGA費/粗利益の比率は、激しく上下動する。
6.GMは過去5年で、28%〜83%、フォードは、89%〜780%等。
7.永続的競争優位性を持たない企業のSGA/粗利益比率の乱高下は、売上高が下降しても、経費が高止まりしている事を示している。
8.SGA費は低ければ低いほど良い。一貫していれば、なお良い。
9.SGA費が低くても、研究開発、設備投資、債務利払いの増大によって経済性が破壊される場合がある。
10.いくら株価が低くても、バフェットは長期的経済性の低い企業には投資しない。さえないリターンが終生続く 悪夢のような境遇から抜け出せなくなる為。
ポイント解説
詳しくは、上記、本書まとめをご覧いただければ、と思いますが、ポイントとしては、
・販売及び一般管理費(SGA費)は、低い程良い。
・研究開発費等のコストも、低い程良い。
・業種によって水準は違えど、優良企業は一貫して低い。
・業種によって水準は違えど、問題企業はSGA/粗利益 の比率が乱高下する。
という事でしょう。
上図例では、長期的競争優位性を持つ企業では、粗利益のSGAに対する比率が55%であるのに対し、
長期的競争優位性を持たない企業は、68%となっています。
これは、本書にある通りだと思います。
当たり前ですが、経費は、少ない程に、利益は大きくなるのです。
因みに、前回の粗利益率の高かったヤフーのSGA/粗利益 の比率は、39%でした。
上図の、「長期的競争優位性を持つ企業」よりも、さらに低い(良い)水準です。
一方、前回粗利益率の低かった飛島建設のでは、215%でした。
つまり、粗利益よりも、販売及び一般管理費が大きい…つまり、この時点で赤字になっている事を意味します。
さて、次に進みましょう。
No.14 多額の研究開発費を要する会社は、競争優位性に先天的欠陥を内包している
本書まとめ
1.永続的競争優位性を持つ企業を発見する時には、"研究開発費"をチェックする必要がある。
2.永続的競争優位性と見える物が、特許や先進技術のような「一時的優位性」であることも多い(特許が切れれ ば優位性は消滅する)。
3.研究開発に莫大な資金を必要とし、しかも、休みなく新製品を考案し続ける企業は、最終的にSGA費が増大 してしまう。
4.インテルは、粗利益の約30%を研究開発に注ぎ込んでいる。そうしなければ、数年で競争優位性を失ってし まう。
5.対して、バフェットのお気に入り、ムーディーズは、研究開発費は0。SGA費/粗利益率は25%、コカコーラ は、研究開発費0.SGA費/粗利益率は59%。特許や技術開発競争を心配する必要が無い。
6.多額の研究開発費を必要とする企業は、競争優位性に先天的な欠陥を内包している。つまり、その企業の競争 優位性は絶対確実なものではない(そして、バフェットは投資しない)。
ポイント解説
この部分は、研究開発費の部分に関しての指摘です。
一般的な経営分析の本を見ると、
「研究開発に多額の資金を投じている=他社には真似できない=競争優位性がある」。
とされる事が多いように思います。
しかし、本書では、全く逆で、研究開発に多額の資金を投じ続けなければならないという時点で、真の競争優位性を持たない、と断じています。
上図の「永続的競争優位性を持つ企業の損益計算書モデル」では、研究開発費は「0」です。
一方、永続的競争優位性を持たない企業は、粗利益の17%程度を研究開発費につぎ込んでいます。
また、ヤフーの研究開発費/粗利益は、0%…つまり、1%未満です。
一方、飛島建設は、「永続的競争優位性を持たない企業」例と同様の、17%でした。
企業は、開発した新技術があれば、特許を取得します。
しかし、特許=競争優位性ではありません。
特許は、真似もされるし、ノウハウを公開する事でもあります。
本当のノウハウは、実は、公開しないのです。
その最たる例が、コカコーラの、コーラ製造法でしょう。
特許を申請しないのですから、特許が切れて、真似される、という事はありません。
また、ディズニーランドなどの強みも、本質的に、「特許」というようなものではないでしょう。
また、例えば、マイクロソフトであれば、マイクロソフトの真の実力と言えば、過去のウインドウズではなく、新たなウインドウズを、それも、リナックスやグーグル等に負けないようなウインドウズを作り続けるノウハウ…という事になるでしょう。
因みに、新日鉄がポスコを訴えましたが、これは、特許の不正利用等では無く、本当の製造ノウハウの流出についての訴訟のようです。
本書は、こういった、特許にもしない、その会社独自の技術こそが、真の競争優位性だ、という立場なのでしょう。
しかし、その見極めは実際には、生易しい物ではないでしょう。
分析するたびに、個別・総合的に、深く洞察する必要があります。
個人的には、本書で言うような、一部の例外を除き、研究開発費の多寡が、必ずしも、競争優位性を示すものではない、と考えます。
但し、本書の視点にも大いに一理ある事は押さえておきたいところです。
はっきりしませんよね?
…つまり、ケースバイケースで考える、という事です。
投資家として、決算書を読む場合、より重要な事は、何よりも、経費としての研究開発費が、どれだけ利益を圧迫しているのか?
という視点です。
1兆円の売上の企業の1000億円の研究開発と、100億円の企業の50億円の研究開発では、全く意味合いが異なります。
ある程度の研究開発費を投じつつも、なおかつ、高い利益率を維持できるのであれば、それもまた、優良企業では無いでしょうか?
つまり、この点に関しては、研究開発費が「低い程良い」という単純な図式ではないというのが、私の見解です。
しかしながら、研究開発費が利益を圧迫し、低い利益率の企業は、そもそも投資に値しない、という意味では、本書と同様です。
いずれにしても、図例のように、研究開発費が、粗利益の何%程度なのか?という点を、意識して観察する、という事は、非常に重要な事に変わりないでしょう。
さて、次は、
No.15 減価償却費はきわめて現実的なコストである。利益を計算するとき除外すべきではない
…といきたいところですが、少々記事が長くなりすぎたので、これは、次回の記事に回す事にしましょう。
では、また!
参考書
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「シンプル社」の例で色々と書こうとも思っていましたが、並行して、史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力 大不況でも投資で勝ち抜く58のルール
企業分析をする上で、最もシンプルで実践的な本は、一連のバフェット本であると言って良いと思います。
勿論、そこから、自分で有価証券報告書を読み解いたり、株価の動向分析等が必要になってくるわけですが、基本は、これで十分だと思います。
少なくとも、私の企業分析を理解する為には、バフェット的な考え方を理解してもらわないと、中々理解が難しいと思います。
そこで、これから史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力 大不況でも投資で勝ち抜く58のルール
財務諸表を読むというのは、中々難しそうに思えるでしょうが、我々が目指すのは、会計論ではなく、財務諸表を読み解き、企業を分析し、理論株価を算出し、株式投資の道具とする事です。
細かい勘定科目を覚えたりする事ではありません。
ポイントをしっかりつかみ、シンプルに読み解けば良いのです。
本書では、バフェットの義理の娘の「バフェット流」の財務諸表の読み解き方が書いてあり、そのポイントを示してくれています。
当ブログでは、私なりに適宜修正・変更と解説を加え、当ブログ流、橘優流の分析法を示していきたいと思います。
また、単に理論だけではなく、具体的に、実際の日本の企業分析も並行して行います。
非常に面白い物になると思い、私も今から楽しみです(笑)。
財務諸表分析は、株式投資において、非常に実践的で、しかも、絶対的に必須のものですので、しっかりと読んでください。
不明点があれば、コメントやメールを頂けたらと思います。
また、財務諸表分析は、株式投資のみならず、ビジネスでも必須の能力と言って良いでしょう。
今は株式投資をしていない方にも、参考になると思います。
いずれにしても、そういうことで、今日から、少しずつ、書いていこうと思います。
「会計はビジネスの言語だ。会計を学ぶ努力をしない限り、そして財務諸表を読んで理解する努力をしない限り、自分で株の銘柄を選択することなど夢のまた夢である」―ウォーレンバフェット
○
史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力 大不況でも投資で勝ち抜く58のルール
ただ、興味をもたれた方は、是非とも、ご一読ください。
まずは、損益計算書(いわゆる、「P/L」)です。
下図表が全体のイメージです。

今日は、売上高・売上原価・売上総利益(粗利益)までの、p41-p53 を解説します。
ポイントはいくつかありますが、まず、何より重要な事は、
「売上―経費」=利益
という事です。
利益を大きくする為には、売上の増大か、経費の削減か、その両方か。
これしかありません。
全ての会計…いや、ビジネスは、売上から始まります。
そして、経費は、「売上原価」からスタートです。
実際、日本でも米国でも、損益計算書の一番初めには、「売上高」がきます。
次に、「売上原価」がきます。
これは、製造業、サービス業等の業種によって変わりますが、
要するに、販売した商品のコストと考えましょう。
英語で言うと、"Cost of Good Sold""Cost of Revenue"です。
売上高から、売上原価を引くと、売上総利益…いわゆる「粗利益」が出ます。
いわゆる、「粗利」(あらり)ですね。
シンプルに考えれば、おにぎりを売るのであれば、お米を買って、海苔を買って、塩を買って、鮭を買って…と色々と材料が必要になります。
160円で販売したおにぎりの原材料費や人件費等のコストが、80円であれば、売上総利益=粗利益は160−80=80円ですね。
この場合、「粗利益率(売上総利益率)」=粗利益/売上高=80/160=50%
となります。
p50では、
「ウォーレンが常日頃心がけているのは、ある種の永続的競争優位性を持つ企業を探し出し、このビジネスから長期にわたって利益を得る事である。そんな彼が発見したのは、秀でた長期的経済性から好業績を引き出している企業は、そうでない企業と比べ、"一貫して"高い粗利益率を保っているという点だ」
とあります。
まず、本文でも強調されていますが、「一貫して」というのがポイントです。
本当に良い企業であれば、一貫して高い粗利益率がある、という事です。
その例として、コカコーラ60%以上、ムーディーズ73%、リグリー51%等が挙げられています。
一方、粗利益率の低い例として、GM21%、USスチール17%、ユナイテッド航空14%等が挙げられています。
マイクロソフトは、79%、アップルは33%ともあります(この本では、マイクロソフトの方が(当時の)アップルより経済性が高いという見方のようです)。
いずれにしても、まず、第一に、損益計算書の、粗利益率(売上総利益率)を観察する、となります。
一般論としては、
「粗利益率が40%以上であれば、なんらかの永続的競争優位性を持っている可能性があり、40%以下なら、厳しい競争にさらされている可能性がある」
と考える、と書いてあります。
そして、
とあります。「少なくとも過去10年間の粗利益率を追跡し、”一貫性”の有無を確かめなければならない」
10年というのは、中々大変ですが、実際の銘柄分析では、過去も遡って分析します。
今回は、直近(前期決算)で粗利益率が高い企業、低い企業について、チェックしてみました。
下図をご覧ください。

粗利益率の上位には、ヤフーや、DeNA、楽天といった、ネット関連企業がいます。
一方、下位には、飛島建設といった、いわゆるゼネコン企業や、一部では人気銘柄のようですが、東邦チタニウム、日産車体、そして、商社の代表格、三菱商事も、粗利益率は非常に低いグループです。
「(参考)」として、売上高営業利益率と、売上高利益率を記載しておきました。
これは、後に活きてきます(わかってきます)ので、今は参考程度にご覧ください。
粗利益率は高くても、サイボウズや楽天は、最終利益を売上高で割った売上高利益率はあまり高くない事がわかります。
この差は、どこから来るのでしょうか?と言う事は、次回以降の記事で明らかになると思います。
一方、粗利益率が元々低いグループは、どの企業も、売上高利益率も非常に低くなってしまっています。
しかし、最終的に赤字になっている企業と、黒字を維持している企業に分かれている事がわかります。
次回は、営業経費から営業利益まで書こうと思います。
今日のポイントは、シンプルです。
売上は大きいほど良い。
売上原価は小さいほど良い。
売上から売上原価を引くと、粗利益(売上総利益)が出る。
粗利益を売上で割ると、粗利益率(売上総利益率)が出る。
粗利益率が高いほど、永続的競争優位性を持つ、優良企業の可能性が高い。
という事です。
しかし、粗利益率が高い企業でも、今後出てくる、売上営業利益率や、売上利益率にはバラつきがあります。
その理由についても、次回で明らかになると思います。
では、また!


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