130520 (個別観測) 3794 NDソフトウェア その4 ~目標株価算出その2~
- 2013/05/20
- 08:06
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130520 (個別観測) 3794 NDソフトウェア その4 ~目標株価算出その2~目次
1.PER8倍前提の株価評価
2.PER16倍前提の株価評価
3.総合評価
1.PER8倍前提の株価評価
PERとは、時価総額が利益の何倍か、あるいは、株価が1株利益の何倍か、という意味です。
PER8倍というのは、その逆数を取ると、益回り12.5%ということです。
また、言葉を変えると、8年間で時価総額分の利益を上げる、ということでもあります。
これを、バフェットの言葉で言うと、疑似債券としてみた場合の株式が、取得時の直接利回りが12.5%ということになります。
例えば、今の1株利益164円が8年続くとすると、1312円、となります。
実際の株価は、1323円ですので、NDソフトを完全に買収し、8年間待てば、買収金額分の利益を叩きだすことになります。
あるいは、単純に12.5%に8をかけると、100%になります。
信用力に問題の無い企業の債券が、12.5%の利回りの状態に放置されているとすれば・・・。
かつ、過去のROEが18%程度なので、今後については、18%程度での複利収益率がついてくる状態であるとすれば・・・と考えるといかがでしょうか?
つまるところ、今の株価水準というのは、NDソフトにおいては、市場の「期待」(予想)が、極めて保守的な状況におかれている、といえると思います。
極論を言えば、NDソフト発行の社債に初年度12.5%の利率がついていて、保有分については、毎年18%の複利収益率がついてくる、と考えれば、本来申し込みは殺到する事となると思います。
勿論、株式と債券は異なるものではあるのですが、バフェット流の疑似債券の見方では、そのように見えます。
前提としては、破綻の確率が極めて低い事、今後も競争力を持ち続ける事、当然黒字を出し、成長を続けることなどが前提となります。
その点(信用力や今後の成長性)については、あとで「確率」から反映させるとしましょう。
さて、ここまでを踏まえていただいた上で、下図をご覧ください。
まず、PERが8倍であることを前提として考えます。
a.悲観シナリオ(35%)
悲観シナリオは、PERが8倍のままで、ROEが今後10年間6%に落ち込むと考えました。
6%の根拠は、2008.2009年にその程度のROEに一時落ち込んだという事実があるためです。
個人的には、その状態が10年間続くという確率は低いと思われますが、ここでは、保守的にこの確率を35%と設定しています。
この場合、実質的な10年後の株価は805円となり、35%という確率を反映した期待値は、282円となります。
b.中立シナリオ(50%)
次に、中立シナリオとして、過去平均程度のROEが続く事を想定し、今後10年間ROEが18%程度を維持することを想定しました。
これは、50%の確率としました。
高齢化が需要、ビジネス成長の源泉となるような当社にとっては、今後はこれまでよりもむしろビジネス環境が良くなる可能性すらあります。
ただ、日本政府の財政状況は深刻な状況の為、早晩社会保障費関連の予算は縮小していく可能性もあります。
結局のところ、中長期的な業績が現状維持となる、という確率を50%とするのは、考えやすいものです。
その場合には、配当を含んだ実質的な10年後の株価は、4954円となり、期待値50%ですから、2477円となります。
c.楽観シナリオ(15%)
最後に、楽観シナリオを考えます。
これは、ROEが25%を継続するシナリオとなります。
ROE25%というのは、ここ3年間の実績のROEの平均程度となります。
ここ3年間の水準が現状維持で続く、という意味では、本来であれば、楽観的というより、保守的な見通しとも言えます。
ここ3年間は特殊な例で、過去平均程度に落ち着くだろう・・・とかんがえるならば、bの中立シナリオとなります。
いずれにせよ、この確率は15%程度の想定にとどめることで、保守的に考えていきましょう。
d.統合評価
最後に、図の「統合」「年複利収益率」「統合現在価値」を解説しましょう。
まず、「統合」ですが、a~cで、それぞれ想定によって期待株価が変わりますが、それらの期待値を足し合わせると、10年後の株価の期待値は、4,313円となりました。
これを、「統合」と名付けました。
確率、期待値を反映させた、10年後の想定株価です。
次に、「年複利収益率」は、10年後の想定株価が、4,313円とするならば、現在の株価水準から考えると、年率12.6%程度の複利収益率が期待できる、という意味になります。
最後に、「統合現在価値」です。
我々は、株式投資を通じて、年間10%程度の複利収益率を目標としたいところです。
10年後に4,313円となるからといって、現在の株価、「現在の価値」が4,313円というのはおかしいのです。
明日に4,313円になることと、10年後に4,313円になることには、決定的な「時間」の違いがあります。
この「時間」を反映させるために、「割引率」ということで、年率10%を10年間分割り引いていって、「現在の価値」を求めます。
すると、1,663円と出ました。
これは、1,663円で購入すれば、年率10%程度の複利収益率が期待できるよ、という意味でもあります。
保守的な確率の想定をして、PERは8倍(益回り12.5%)という割安な状況を前提としても、10年後の株価は、4,313円となり、年率12.6%程度の収益を期待できる、ということがわかりました。
2.PER16倍前提の株価評価
PER16倍の場合でも、PER8倍時と同様の確率で考えて、こちらは結論だけみると、
10年後の株価・・・8,071円
複利収益率・・・19.87%
現在価値・・・3,112円
となりました。
これは、文句なしの成績となります。
PER16倍というのは、逆数の益回りは、6.25%となります。
16年で投資資金分の利益がかえってくる、ということになり、年率6.25%程度の収益率となる水準です。
PER8倍と比較すると割安感は薄れるものの、年率6%程度の利回りの債券、と考えると、悪い投資とは言えないでしょう。
ともかく、株式市場がこの水準まで「期待」を高めた場合には、現在価値は3,112円となります。
現在の株価は1,323円ですが、現在の株価の時点で2.2倍程度まで評価されることになります。
3.総合評価
1.PER8倍前提の株価評価では、現在価値は、1,663円となりました。
2.PER16倍前提の株価評価では、現在価値は、3,112円となりました。
どちらが正しいのでしょうか?
わかりません。
言えることは、どちらも現在の株価水準よりはかなり高い、ということです。
そして、長期的には、PERが8倍~16倍程度の範囲で動く事はあるでしょうから、総合的な目標株価は、1663円~3,112円としても良いですし、端的に、その確率を50%-50%としてみる、というのも一つの解決法です。
PER8倍or16倍を、50%-50%の確率と考えると、上図のように、現在価値は、2,388円となり、年率の収益率は16.7%程度が期待できることになります。
現在の株価からすると、市場が私が想定した程度のシナリオを織り込んだ場合には、現在の株価で、80%程度の上昇が期待できると言えます。
その後、将来的には、10年後には、6,200円程度の株価まで、(山あり谷ありでしょうが)中長期的には、上昇基調を続けるというイメージとなります。
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いかがでしょうか?
数字的には、非常に魅力的な結論となっていないでしょうか?
しかし、ここでは、強気の見通しをした訳ではなく、保守的な予想をしたつもりであることは、再度申し上げておこうと思います。
では、また!
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