130904 個別銘柄観測(新規)1605 国際石油開発帝石~原油価格上昇に備える~その2
- 2013/09/04
- 08:17
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130904 個別銘柄観測(新規)1605 国際石油開発帝石~原油価格上昇に備える~その2(前回その1後半部より)
・基本指標
基本指標としては、設立年月日が、2006年4月ということですが、国際石油開発と、帝国石油が2006年4月にホールディングに移行し、2008年に吸収合併という形です。
創業自体は、国際石油開発が1966年、帝国石油は1941年であり、どちらも国策企業といえるものでした。
今も、政府(経済産業大臣)が筆頭株主であり、政府は黄金株を保有しています。
予想PERは11.7倍と、それ程割安でもなく、割高でもない、という位置につけています。
(以上前回)
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・資産価値
資産価値を観てみましょう。
資産価値は、通常のBPS,一株純資産で言えば、679,640円であり、現在の株価よりもかなり大きくなります。
一方、当ブログ共通に適用している調整によって出した真のBPSでは、337,771円となり、現在の株価(時価総額)は資産価値に比べ、は30%以上上昇しています。
同社の場合の資産というのは、無形固定資産や投資その他資産が多く、そこで会計上の調整も行われている為、少々厳しく見積もりすぎている可能性はあります。
いずれにしましても、値動きとしては、これまでは40万円台が概ね底値でしたが、30万円台前半に入った場合には、資産面からでも割安感が出てこようかと思います。
・株式価値評価(RIM)と業績
残余利益モデル(Residual Income Model:RIM)を早速活用してみました。
多少テクニカルな面でまだ訂正が必要ですが、「概ね」正しいはずです(バフェットによれば、完全に間違っているより、概ね正しい方が良い)。
(5%)(10%)とあるのは、割引率です。
会社四季報予想二期分と、その後はその残余利益が継続する事を前提に理論株価を算出しました。
これは、この方式が正しいかどうかではなく、一定のルールで「観る」という考えの一環で、まずはこの方式で大体の割安感を観る、という事です。
完全に、厳密に算定するよりも、作業上簡易的に、概ねのところで、まずは出してみています。
PVRは、そこで算出された理論株価と実際の株価の比較です(株価/RIM理論株価)。
割引率が5%であれば、0.61倍、10%であれば、1.17倍と出ています。
これは、5%の年複利収益率を期待するなら、40%程度割安であり、10%の年間収益を期待するなら、17%割高、という事です。
業績は非常に安定的で、リーマンショック時にもしっかり黒字を出す体質です。
図では価値評価(RIM)の下の、業績欄では、BPS複利増加率(6期)がありますが、これが7.66%であり、直近三期平均ROEも、7.57%、と、大体7%前後の年間収益率・BPS増加を続けてきました。
ただ、四季報の予想ROEでは、5.5%と低下しており、このところが、株価低迷の一つの要因のようです。
株式の価値というものは、現在の純資産と、将来に獲得される純資産の現在価値と考えられますが、同社の場合は、年間7%前後で純資産が増加していくため、年間の期待収益率が10%という場合には、物足りないですが、期待する収益率が、5%であれば、魅力的な投資案件となります。
同社の業績に大きな影響を与える要因は、原油価格と、為替です。
(参照)有価証券報告書p29(原油価格と為替の影響)
原油価格が上昇した場合には、基本的には業績拡大要因となります。
普通は、原油価格の上昇はリスク要因となりますので、当社は、原油価格上昇に備えた、一定のリスクヘッジ銘柄となり得るという事です。
原油価格の長期予想は非常に難しいですが、中東情勢が泥沼化した場合には、長期的に原油価格が高止まりするリスクがあります。
その際には、同社は基本的には恩恵を受けると思いますが、一方で、中東の地政学的リスクの影響も受けることにはなります。
同社は、名前は石油開発ですが、実際には、原油60%、ガス40%の割合のポートフォリオを組んでおり、ガスについては、アジア・オセアニアが大半を占めます。
原油が上昇した場合、ガス開発にも恩恵が及びますので、ポートフォリオとして、同社なりにリスクヘッジをしているものと思います。
また、再生可能エネルギー関連にも参入していく方針です(有価証券報告書 p22)。
投資テーマとしては、資源関連に加え、再生可能エネルギー関連、また、国産エネルギー・メタンハイドレート等の関連銘柄ともなります。
四季報の予測では、EPSは、2013年3月期が50,114円に対し、2014年は37,525円、2015年は38,346円とかなり減益見通しで、今回のRIM算出では、それが今後も続くと見積もっているので、業績の想定・予測としては保守的なものだと思います。
・一旦まとめ
ここまでをまとめると、それ程割安ではないが、「そこそこ」の収益は期待できる。
資産面からみると、30万円台前半の株価となるとかなり割安となる(下値目処はある程度近い)。
割引率10%の場合、38万円程度となるので、40万円前後からの下値目処は、理論株価からみると、限定的。
中東情勢によっては、原油価格上昇時に恩恵を受ける部分があるため、一定のヘッジ銘柄となる。
その他、一般に、日本企業最大の生産量・埋蔵量を持つ資源企業として、資源価格上昇のヘッジにもなる。
ということで、一部、ポートフォリオに加える価値はありそうです。
・テクニカル系・その他
テクニカルでは、これは一昨日のデータのままですが、昨日3%程度上昇していますので、できれば、落ちたところを引き付けたいところです。
チャートとしては、トレンドが転換しつつあり、25日移動平均線と75日移動平均線がゴールデンクロスとなりかけているところです。
その他としては、ファイナンスとして、株式分割が9/30割当で、あります。
1→400株というかなりの分割となります。
分割銘柄は相変わらず、基本的には人気がありますが、このところ、歴史のある企業でも、分割が多くなってきている印象があります。
カルビー、株式を4分割 上場以来初、投資家層拡大狙う 2013/8/30 (日経)
<東証>京セラが反発 29年ぶりの株式分割で投資家層拡大に期待 2013/8/29
直近のアナリスト評価としては、野村がBuy,696000円(8/22)ということです。
大型投資→キャッシュフローの拡大を見込んでいるようです。
では、また!
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