安倍自民党総裁は、建設国債の日銀引受を「発言」していないのか?
- 2012/11/21
- 18:54
http://tachibanasuguru.blog56.fc2.com/blog-entry-877.html安倍自民党総裁は、建設国債の日銀引受を「発言」していないのか?
先日、安倍自民党総裁による、「日銀による建設国債の引受」発言は、様々な反響を呼びました。軽く検索するだけで、様々な記事が出てきます。
テレビでも、「報道ステーション」などでも、映像付きで、連日報道されました。
(参考)
Reading:細野氏“安倍氏発言は衝撃” NHKニュース
日銀の国債直接引き受けは「禁じ手」 城島財務相も自民・安倍氏を批判
石破氏「緩和は成長戦略と一体」 安倍氏発言火消し :日本経済新聞
水説:国債の日銀引き受け=潮田道夫(毎日新聞社説)
アングル:安倍総裁の過度なリフレ政策は「経済再生に逆行」(ロイター) - Y!ニュース
【衆院選】安倍氏、建設国債の日銀引き受け言及 総裁には「インフレターゲット論者に」 - MSN産経ニュース
最新のWSJの記事では、安倍総裁の日銀の国債購入要請、引き受けだけではない=関係筋 - WSJ日本版 - jp.WSJ.com のようなものもありました。
これは、「引き受けだけではない」と、引き受けについては、認めた上での発言となります。
ところが、安倍自民党総裁は、様々な批判に腰が引けたのか、 ロンドン市場 安倍総裁、日銀に直接引き受けと言っていないと、否定を始めました。
フェイスブックでは、
と、完全否定しています。また改めて申し上げますが、私は物価目標について、「名目2~3%を目指す。
私は3%が良いと思うが、そこは専門家に任せる」「建設国債の日銀の買い切りオペによる日銀の買い取りを行うことも検討」と述べている。
国債は赤字国債であろうが建設国債であろうが同じ公債であるが、建設国債の範囲内で、基本的には買いオペで(今も市場から日銀の買いオペは行っているが)と述べている。
直接買い取りとは言っていない。
言っていない事を言っているとした議論は、本来論評に値しない。
「言っていない事を言っている」とまで書いています。
とすると、マスコミか、安倍氏のどちらかが、確実に嘘をついたことになります。
とするならば、どちらにしても、大問題ですので、この点について白黒つけてほしい、と安倍自民党総裁の「建設国債日銀引受」発言について~青い鳥に見えるもの、その正体は・・・~ (11月21日注記追加)の注記に書きました。
ついでに、安倍氏のフェイスブックにもコメントしておきました。
「日銀の建設国債の引き受け」と言う表現を実際に使ったかどうかは、今後しっかりと白黒つけてもらいたいものですが、現時点で、私も面倒でしたが、昨日録画しておいた報道ステーションの動画(肉声)付きの安倍氏の発言をチェックしました。
報道ステーションの映像で確認でき、確実に発言している事は、
「日本銀行は輪転機を持っていますから輪転機をグルグル回してお札を刷る事」
「やるべき公共投資をやっていく」
「国債を発行しますが 建設国債をできれば日銀に全部買ってもらう」
「買いオペをしてもらうことによって新しいマネーが強制的に市場に出ていく」
と言う事でした。
ともかくも、安倍氏は、「公共投資をやる→建設国債を出す→日銀に全部買ってもらう」という発言は、確実にしていることになります。
一方で、確かに「買いオペ」と言う表現もしています。
「日銀の建設国債引受」と明確に発言しているかどうかは今のところわかりませんが、内容からすると、「公共投資をやる→建設国債を出す→日銀に全部買ってもらう」と言うのは、普通に解釈すると、「日銀による建設国債引き受け」と取れます。
少なくとも、「公共事業をたくさんします!」→「財源は、日銀です!」と言う事です。
まとめると、「安倍氏にとっては」日銀引受なんて言っていないんでしょう。
本人が言っているのだから、そうなのでしょう。
少なくとも、安倍氏にとっては。
しかし、その意味するところは、政府の財源を日銀に直接求める、と言う意味では、建設国債の日銀引受と同じ事を言っている訳です。
ここからは、私個人の推測です。
安倍氏は、財源は「輪転機を回せる日銀だ」とは思っていたのですが、単に、「買いオペ」の意味をおそらくあまり知らなかったので、「買いオペ」と言う表現をしたのではないか、と思います。
これが、安倍氏にとっては、不幸中の幸いで、おそらく誰かから言われ、「自分はあくまで引き受けではなく、買いオペと言った」と主張している訳です。
しかし、そうすると、「公共事業の財源は日銀だけれども、買いオペと言ったから、引き受けじゃないもん!」と言うような、無知蒙昧で、意味不明な発言となります。
その事に気がつかない時点で、少なくとも金融・経済政策については、知識は元より、思考力も論理力も無い、無責任な政治家である、と今のところ考えざるを得ません。
結論として、実際に「引き受け」と言ったかどうかはともかく、実質的には、財源が日銀である、と「言っている」。あるいは、「意味するような発言をしている」。
と言う事でしょう。
個人的には、安倍氏が金融については致命的に無知であり、しかも言葉が軽い事は、わかりました。
そもそも、「私が講演しただけで円安になり株価は上がり続けた。市場は私たちの実行を望んでいる」(安倍総裁:建設国債の全額日銀引き受け検討 独立性懸念による)などと言っている時点で、分かっていた事でした。
そもそも、「市場が望んでいる」とはどういう事なのでしょうか?
「市場が望んでいる」政策をすれば、「円が売られる」のでしょうか?
日本経済が復活に向かう、と予想されれば、基本的には「円が買われる」のではないでしょうか?
全く脳天気としか言いようがありません。
市場は、単純に、安倍氏の言う政策が実現すれば、(良くも悪くも)円安が来る、その前に円を売ろう、と動いただけ、と考えるのが普通です。
その結果、当ブログで何度も書いているように、短期的には自然と株高になります。
ドル建ての視点で見れば、円安による日本株の下落と、自動的に出る買い注文により、「円建てでは」上昇しているように見える反応に過ぎません。
私のような、非常に安倍氏の引き受け発言に危機感を感じる人間でも、実際に円安を予想して、そういうポジションをとります。
それは、望んでいるとか望んでいないのではなく、そうなるから、そうするしかないと言うだけです。
日本円が将来暴落する可能性が出てくれば、その可能性に応じて、円を売るでしょう。
それ以上でも、それ以下でもありません。
それを、「市場が望んでいる」などと喜んでいる時点で、安倍氏は、経済音痴であると言わざるを得ない、と思います。
そして、問題は、中長期的には、そのような政策を取った場合、円安が続いたとしても、株価が上昇を続けるとは限らない、と言う事です。
むしろ、結論から言えば、恐らく、円安・株安・債券安というトリプル安になる可能性が高いと思います。
実体経済が深刻なダメージを受け、金融危機等を誘発してしまうリスクが高い為です。
ちなみに、今回安倍氏の経済ブレーンとして、時々名前が出てくる「高橋洋一」氏ですが、彼は、日銀の国債引き受けに積極的です。
また、「みんなの党」の経済ブレーンである事も知られています。
(参考:高橋洋一の民主党ウォッチ 「日銀引受は禁じ手」の虚妄 実は「毎年行われている」 : J-CASTニュース
ところが、みんなの党の渡辺党首は
と批判しています。「結局こうした建設国債の引き受けというのは自民党の支持団体である建設業界向けの話が金融政策の中に紛れ込んでしまっている」(報道ステーションVTR)
これは、その通りであると私も思います。
みんなの党と言えば、これまで金融緩和の急先鋒と言った党でしたが、と言って、建設国債の引き受け、などという、緩和出来れば、何でもよい、というようなものはちゃんと批判している。
その点に関して言えば、渡辺氏を、少し見直しました(トータルの政策としてみんなの党が良いかはおいておいて)。
以上、こんなくだらないレベルの政策議論について時間と労力を使うのも(結構時間をかけています)非常にもったいない…投資について書きたい、と思いつつ、私なりに、我慢して書いてみました。
残念な限りです。
では、また!
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